2007/04/28

バベルとキム・キムドク2作

映画、バベル観て来ました。

菊池凛子のアカデミー助演女優賞ノミネートで話題になった作品。多分、日本が関わらなければ、日本でそれほど大々的に公開されることもなかっただろうな。と思ってしまうほど、エンタテイメント性が薄く難しめ。どちらかというと、ひっそり公開され知る人ぞ知る的な、口コミで人気が広がる感じの内容でした。

で、話題の菊池凛子さん。体当たりという言葉通りの演技。存在感あったし、助演女優賞ノミネートされるのも納得です。それ以上に何故この人が受賞しなかったの?と思わせてくれたのが、メキシコ人のおばさん役の女優。とても演技とは思えないリアリティに、言葉を失う程でした。というか、これよりディパーテッドを評価するアカデミー会員って一体?と、その存在価値に疑問を感じた本日である。

映画の後、帰宅して観たDVDがこれ。

悪い女
イ・ジウン キム・ギドク イ・ヘウン
B0002IJOYI
悪い男
チョ・ジェヒョン キム・ギドク ソ・ウォン
B0002CHQ0I

深く重く、考えさせられる映画の後に、なにが悲しくて選んだのかキム・ギドク作品。しかも2本立て続けに。

悪い女は、昼は美術学校に通い、夜は住み込みの売春宿で客をとる娼婦のジナと、彼女を軽蔑する売春宿のひとり娘の女子大生ヘミとの対立→和解を描いた作品。と、ものすごく大雑把に説明したけれど、無駄な描写がない分、人によっていろんな解釈ができると思う。

悪い男は、女子大生ソナと、ソナにひとめ惚れした出所中のヤクザ、ハンギのラブストーリー。というか、ラブストーリーなんて言葉ではとても表現できない、恐ろしく暴力的で不条理な映画です。

自分を無視したソナを卑劣な手口で自分と同じくらいに貶め不幸のどん底に落とし、その世界で生きる彼女を見守り続ける、彼女への純粋な気持を歪んだ形でしか表現できない孤独な男。人はそれを不器用と言ったりするが、はっきり言っていい迷惑だよね。

そのような愛情表現しかできない、悪い男の中の潔さや清さを役者は上手に醸し出していたと思います。セリフはいっさいないのにね。強烈なインパクトのある映画でした。しかしこんな反社会的な映画が、儒教の国・韓国で受け入れられているのだろうか…。

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