2009/02/23

おなかのかわ

本日の猫本は、瀬田貞二作(再話)・村山知義絵によるおなかのかわ です。

猫とオウムは相談をして、交代に互いの家に招きごちそうをふるまうことにしました。ところがよくばりな猫は、オウムが出してくれたごちそうでは満足できず、オウムの分のごちそうもたいらげたあげく、友達のオウムも、おばあさんも、ロバも、王様も、出会うごとに次々と丸呑みにしまいました。

食いしん坊でいやしん坊の猫が主人公のナンセンスなお話です。想像通りの結末ですが、最後のページの、全く懲りてない猫の表情が可笑しくてたまらない。村山知義という人は児童文学のイラストで知ったのですが、相当面白い経歴を持つ方なんですね。独特の画風が好きで、奥さんの村山籌子の作品集も合わせ、本屋で見かける度に購入しています。

この本も、昨日紹介したねこのごんごんと同じタイミングで限定復刊されるらしいです。ってこれも絶版だったんかい。福音館のこどものともシリーズって、出版されたからといって常にあるわけじゃないんだね。見つけた時に買わないとなくなっちゃうんだね。

こちらの話、もともとは1958年に出版されたものを、瀬田さんによる再話で改訂版として1975年に発行されたとのこと。もともとは夏目漱石の門下、鈴木三重吉による訳文を使っていたらしいです。それにしても、児童文学界の父と言っても過言ではないであろう瀬田さんの仕事っぷり。幼い頃からどれだけ世話になってきたか。瀬田さんがいなかったら、指輪物語も読めなかったかも…と思うと、ほんとありがとうございます!と深々と頭を下げたい気持ちになります。

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