2009/04/29

グラン・トリノ

「ハイパーメディアクリエイターの高城剛」っていつも紹介されてるけど、高城剛以外にハイパーメディアクリエイターなんて肩書きの人いるのかな。なんて小さな疑問をなかなか解消できずにいる今日この頃ですが、本日はクリント・イーストウッド監督のグラン・トリノを観てきました。



朝鮮戦争の従軍経験を持つ元フォード社の自動車工ウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)。妻に先立たれ、愛車1972年製グラン・トリノや愛犬と孤独に暮らすだけの日々を送っていました。彼の妻はウォルトに懺悔することを望んでいたものの、頑固な彼は牧師の勧めも頑に拒みます。そんな時、近所のアジア系移民のギャングが、ウォルトの隣に住むおとなしい少年タオにウォルトのグラン・トリノを盗ませようし失敗。タオに銃を向けるウォルトですが、これをきっかけにタオ家族との交流が始まります。

イーストウッド監督作品の中でいちばん好きなのはミリオンダラーベイビーですが、それ同様に心にガッツリ何かを残してくれる映画です。本当に素晴らしかった。ラスト辺りは完全に号泣で、鼻ちょうちん作りながら観ちゃいましたよ! ほんとこれお勧め! てか、文科省が推薦しろ!

と、半ばキレ気味に紹介しておりますが。ウォルトは朝鮮戦争の際、自発的に非道な行動をとってしまった自分に対して絶望に近い気持ちを抱いていて、それが彼のその後の人格にも影響しちゃってるのですが。その彼が言葉もよく通じないアジア系の移民たちによって少しだけ癒され、そしてあの超絶なラストに繋がると。同じ民族同士の争いに暴力で介入してしまうウォルトはアメリカ合衆国そのもの。そしてお約束のように悲劇が訪れ、それを後悔するウォルトがとった行動にこそに未来が見えるという皮肉。ウォルトこそが英雄なんだと思うけど。

あと、こんな良い映画がアカデミー作品賞にノミネートされないなんて?思いましたが、このラストは日本人好みなのかも。ネタバレになっちゃうので具体的に書きませんけど、こんな終わり方をする日本のアニメが今ひとつアメリカ人に受け入れられない(ラストの部分だけ)という話を聞いたのを、今思い出しました。

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