2008/09/20

紙のお月さま

ライアン・オニールと三男のレドモンドが揃って薬物所持で逮捕というニュースを聞いて。ライアン・オニールに23歳の息子って若くない?と思ったら、ファラ・フォーセットとの間の子なんですね。6月には長女テイタム・オニールも薬物所持で捕まってたし、ほんと、ことごとく人の夢を壊してくれるよ、この一族は。

ペーパー・ムーン スペシャル・コレクターズ・エディション オニール親子と聞いて、まず思い出すのは映画ペーパームーン。夫を亡くしたばかりの未亡人に聖書を売り歩く、しょぼい詐欺師モーゼ(ライアン・オニール)が、昔の彼女の娘アディ(テイタム)を預かることに。商売の邪魔と思っていたアディの意外な頭の良さと回転の速さに助けられ、詐欺を続けながら旅をするロードムービーです。親子のような他人同士を、実の親子が演じるということで話題になったみたいですな。

すべてが素晴らしい映画ですが、その中でもアディ役のテイタム・オニール(当時8歳)の存在感といったら! 生意義でこまっしゃくれた態度の端々に、母親を事故で亡くした寂しさ、本当はモーゼが父親なのでは?という淡い期待が見えたりして。これ演技なの? 8歳の子がここまでやっちまうの?と、びっくりするほど自然に上手に演じています。

この映画でテイタム・オニールは8歳にしてアカデミー賞を受賞。しかし、ノミネートすらされなかったライアン・オニールの怒りがテイタムに向けられ、ひどい虐待の果てに、すでに離婚していた母親に引き取られることに。母親の元でも母親の15歳年下の愛人に暴行されそうになり、結局またライアンのもとに戻ると。更にテイタムの受難は続き…と言っても原因の殆どは父親のライアン・オニールみたいだけれど。

ジョン・マッケンローと結婚して3人の子供を産んで、これでやっと幸せが掴めたかと思ったら、マッケンローの暴力が原因で離婚。テイタムは既にヘロイン中毒だったため、子供たちの養育権も手放す羽目になり、そして現在に至ると。離婚後はドラマなんかで活躍していたみたいだけど。SEX AND THE CITYにも出てたし。

それにしても「天才子役」と評されてしまった人の人生って、ハードボイルドなものが多くないですか? テイタムの場合は、親の問題がそのまま彼女に影響してしまったような気がするんだけど。若い頃にマイケル・ジャクソンと付き合ってたってのもすごい話だし。彼女が演じたどの役よりも、彼女自身の人生がドラマチックなんじゃないでしょうか。そのうち映画化してほしいくらい。

映画のタイトル「ペーパームーン」は、そのままモーゼとアディの関係のこと。ボール紙の海の上に浮かぶ紙の月でも、あなたが信じれば本物になる。映画の中じゃあれだけ息の合う2人なのに、現実は厳しいね。

ある愛の詩 ライアン・オニール単体だと、最初に浮かぶのはやっぱりある愛の詩かな。タイトルに偏見を持ってなかなか見る気にならなかったんですけど、見たらすごく良い映画で驚きました。相手役のアリ・マッグロー、最初は全然可愛く見えないのに、見ているうちにどんどん好きになってしまう。ごくシンプルなラブストーリーなのに、なんで今こうゆう映画が作れないんだろうね。作り手より、見る側の問題なのか? 時代が違うとか、そうゆうこと? 今、これと同じことやっても、見る方が満足できないってことなんでしょうか。

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