すべてが素晴らしい映画ですが、その中でもアディ役のテイタム・オニール(当時8歳)の存在感といったら! 生意義でこまっしゃくれた態度の端々に、母親を事故で亡くした寂しさ、本当はモーゼが父親なのでは?という淡い期待が見えたりして。これ演技なの? 8歳の子がここまでやっちまうの?と、びっくりするほど自然に上手に演じています。
この映画でテイタム・オニールは8歳にしてアカデミー賞を受賞。しかし、ノミネートすらされなかったライアン・オニールの怒りがテイタムに向けられ、ひどい虐待の果てに、すでに離婚していた母親に引き取られることに。母親の元でも母親の15歳年下の愛人に暴行されそうになり、結局またライアンのもとに戻ると。更にテイタムの受難は続き…と言っても原因の殆どは父親のライアン・オニールみたいだけれど。
ジョン・マッケンローと結婚して3人の子供を産んで、これでやっと幸せが掴めたかと思ったら、マッケンローの暴力が原因で離婚。テイタムは既にヘロイン中毒だったため、子供たちの養育権も手放す羽目になり、そして現在に至ると。離婚後はドラマなんかで活躍していたみたいだけど。SEX AND THE CITYにも出てたし。
それにしても「天才子役」と評されてしまった人の人生って、ハードボイルドなものが多くないですか? テイタムの場合は、親の問題がそのまま彼女に影響してしまったような気がするんだけど。若い頃にマイケル・ジャクソンと付き合ってたってのもすごい話だし。彼女が演じたどの役よりも、彼女自身の人生がドラマチックなんじゃないでしょうか。そのうち映画化してほしいくらい。
映画のタイトル「ペーパームーン」は、そのままモーゼとアディの関係のこと。ボール紙の海の上に浮かぶ紙の月でも、あなたが信じれば本物になる。映画の中じゃあれだけ息の合う2人なのに、現実は厳しいね。
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