そんな本日(↑総裁決まったのは何日か前だけど)、イントゥ・ザ・ワイルド見てきました。
1992年にアラスカで死体となって発見されたクリストファー・J・マッカンドレスの生涯を描いたノンフィクション、ジョン・クラカワーのベストセラー荒野へ をショーン・ペンが映画化した作品。なんと映画化権を獲得するのに10年もの歳月を用いたとのこと。執念やね。
映画監督としても役者としても、いまひとつ信用しきれないショーン・ペンですが、この映画はなかなか良かったです。これでアカデミー賞とかとっても異論なしってくらい良い映画でした。本音を言うと、もっと良く撮れたんじゃ?って気もする箇所もあるのですが、あまり贅沢言ってると見られる映画なくなっちゃうし。
映画では親(とくに父親)との確執が色濃く描かれていますが、実際のとこ彼が現社会を捨てアラスカを目指したのは、親がどうこうではなく、もともとそうゆう性格というか本人の資質による部分が大きいらしいです。確かにその方がしっくりくる感じ。でもそんなクリスの性格を伺えるエピソードもあり(貯金を全部寄付するところとか)、そうゆう意味で深く見応えのある内容でした。ただね、本気でアラスカでの生活を目指すなら、もちょっとサバイバーとしての知識を身に付けた方がよかったんじゃ…って、だから餓死しちゃったんだけどさ。
上の映画の予告編でもちらりと映りますが、鹿を撃とうと銃を構えたのに、後ろの子鹿が目に入り結局撃てずに逃がしてしまった場面。それは一度でも文明社会で生活していた人間として当たり前の行動だと思うし、私だって同じ状況で絶対に撃てないと思う。でも食用としての狩猟を生活の糧としている人なら、ためらいなく撃てるはず。その時点でもう、サバイバーとしての素養なしってことなんじゃないでしょうか。あと、せっかく大物しとめたのに、保存方法が悪くてすぐに肉を腐らせてしまう場面ねー。アラスカつっても夏はあるんだからさ、日持ちさせたきゃせめて薫製にすりゃいいのに…と、サバイバー資質ゼロの私ですら少し呆れました。ホームレス中学生の方がたくましいかも。
などと突っ込みつつ。スーバーやレストランに行きゃ食べたいものが手に入る、食が生死に直に繋がっていることなんて、全く意識せずに生活できる環境が当たり前の日常を送る私に、クリスの行動を単に若さ故の暴走とかナルシズムなどという言葉で片付けられるわけもなく。何にしても、今を生きるのって、それだけで結構ハードボイルドなんじゃないの?と思いました。
そういやホームレス中学生も映画化されたんだよね。国が国ならホームレス中学生なんて珍しくもなんともないと思うけど、これがベストセラーになってしまう日本って、全体的に見たら裕福なんでしょうな。何年か前、テレ朝の深夜番組虎ノ門の不幸な生い立ち選手権企画で見事優勝していた麒麟の田村さん。他のメンツ(次長課長・河本とかメッセンジャー・黒田など)の話は悲壮感漂い過ぎていて笑えないというのがその理由だったけど、普通に考えて中学生が公園で寝泊まりしなきゃならない方がずっと悲惨だよ。それを何故かハートウォーミングな話にしてしまうのは、やっぱ人柄か。印税で思う存分贅沢してほしいものです。
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