2007/10/06

クイーンとサウスバウンド

徹夜明けで朝っぱらから超ハイテンション。と言っても寝ない訳にはいかないので、DVDで映画を1本見て気持を落ち着け、その後4時間就寝。起床後に1本DVDを観賞してから、シネコンに行きクイーンとサウスバウンドを見てきました。

って、似たような文章を最近書いた覚えが…と思ったら、先々週も似たようなことしていたもよう。これじゃ月日の感覚もなくなるわけだ。

クィーン<スペシャルエディション>
B000UVXHSQ
ヘレン・ミレン


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


エリザベス女王を演じたヘレン・ミレンがオスカーを受賞したことで、日本でも一躍注目を集めた作品です。アカデミー賞に関わらなきゃ日本ではせいぜいミニシアター上映どまりだったのでは?と思うと、アカデミー効果って本当にすごい。1997年8月31日、ダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなった直後の英国王室の混乱とエリザベス女王の苦悩、首相就任直後のブレアの姿を描いています。

なんで今頃クイーンを上映してるの?という疑問を抱きつつも、スクリーンで見られてラッキーと浮かれまくり。想像以上に素晴らしい映画でした。ゴールデングローブ賞授賞式で主演女優賞(プラダを着た悪魔)に輝いたメリル・ストリープが「私が受賞できたのは単に上映館数が多かったから。本当に素晴らしかったのはエリザベスを演じたヘレン・ミレンだ」とコメントしたの見て驚きましたが、全くもってその通り。マジで感動しまくりです。しかし自分が受賞しているにも関わらずそんなこと言ってしまうなんて、メリル・ストリープも勇気あるよね。同時に映画配給の矛盾についても軽く批判していましたが、彼女が常に映画界でもてはやされている存在だけに、意味ある発言だったと思います。

とくにダイアナ妃に思い入れがなかったからか、亡くなった後の王室の対応も別に冷たいともなんとも感じていなかったのですが。イギリスじゃあ大バッシングされていたんですね。ダイアナさんがまるで王室に殺されたかのような雰囲気で、もう集団ヒステリー状態。明らかにマスコミに操られているんだけど、集団心理って本当に恐いなと思いました。

大体パパラッチが追いかけまくったからこそあんな事故が起きたんじゃん…と思っていたから、何でそこもっと責めないんだろう。責任はマスコミにあるんじゃないの?と当時はものすごく不思議でした。でも、この映画の中の「世間はダイアナの"表"の顔しか見ていない、"裏"の顔を知らないんだ、だがダイアナが"裏"の顔を見せるわけがないじゃないか、絶対に」というチャールズ皇太子の言葉を聞いて、ちょっと納得。ボランティア活動に参加したりエイズ患者を抱きしめたりわざわざ地雷のある場所を歩いてみたり。ダイアナ自身が散々マスコミを使ってイメージアップしてきたのだから、自分にとって都合が悪い時だけそれをシャットアウトしたくても許されるわけがない。もともと人の不幸を食い物にしているような職業だもの、尚更だよね。

世間の王室バッシングから女王を救い、国民と和解させようと、首相になって間もないブレアが奔走するわけですが、労働党の党首である首相の周囲に王室に暖かい目を向ける人間がいるはずもなく。エリザベスが女王として守るべき王室の尊厳と国民感情のギャップに揺れながらも下す決断を軽んじる側近に対し「女王は自分が一生を捧げ大事にしてきた伝統と歴史を、コケにしたあげく後ろ足で泥をひっかけて去った女に弔いの言葉をかけようととしているんだぞ!」とブレアが一喝する場面が印象的でした。

他に印象に残ったのは、女王自ら運転していた四駆で川を突っ切ろうとし、途中でエンストしちゃう場面。電話で人を呼び、待つ間に現れる大鹿に自らの姿を重ね合わせる心情がよく表れていました。あと少女が女王に花束を捧げる場面では思わず涙が出た。てか、後半は結構泣けたなぁ。望んだわけでもなく、生まれた瞬間から特別な存在として注目され追いかけ回され。国のために人生の全てを捧げてきたのに、国民からあれほど激しく非難されるなんてね。その苦しみの大きさは想像を絶する程だと思います。旦那はぼんくらだし息子はすっとこどっこいだし。あれじゃ本当に大変だと思うわ。

私はもともとブレア元首相夫人が嫌いなんですけど、この映画の中でも本当に嫌な女に描かれていて笑ってしまった。って、そんなことで喜ぶ私も相当嫌な奴だと思うけど。やっぱみんなそうゆう印象受けてるんだ〜と思うと可笑しかったし、演じた女優も本当に上手でした。でもこの映画上映した当時はまだ首相はブレアだったはず。よくもまあこの内容で許されたもんだ。まあ、夫人と相反してブレア自身は本当にいい奴に描かれていたけれど…。イギリスって芸術には寛大な国なんだね。素晴らしいことですな。

そしてその後に見たサウスバウンド。正直、あまり印象に残る場面もなかったかなー。時代的には今から30年くらい前の設定?(←超適当) どんな映画か全く知らずに見ちゃったのですが、もともと団塊の世代とやらがあまり好きじゃない私にとっては興味も持てなきゃ共感も出来ず。と言っても不愉快になるような映画でもなく、ま、あんな感じでいんじゃね?ってとこかね。一晩寝たら忘れてると思う。

0 件のコメント: