2007/09/16

題名のない子守唄

夕方、ザワークラウトのサンドイッチが美味しい店まで車を走らせている途中で気が変わり、もう5〜6年くらい足を運んでいないイタリア料理屋さんへ。距離的には車で30分くらいの場所だと思うのですが、常に渋滞している道を通るため、小1時間はかかってしまいます。それが面倒で足が遠のいていたのでした。

久々に行ったはいいが、思いのほか食欲もなく。軽〜く食事をとって店を出て、映画題名のない子守唄を見てきました。別にイタリア料理食べた後だからイタリア映画観たってわけじゃないんだけど。

題名のない子守唄は、ニューシネマパラダイスや海の上のピアニストなどで知られるイタリアの名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督の最新作です。東欧と接する北イタリアの港町トリエステにやって来た、忌まわしい過去を持つ女イレーネは、ある重大な目的を果たすべく、アダケル家のメイドの職を得ます。イレーネの現在の姿を追うと同時に、彼女が体験した恐ろしい過去が次々と明かされて行くサスペンスタッチの映画でした。

冒頭、いきなり監督から「結末は誰にも言わないでね」というメッセージがあったので、ストーリーには触れませんが、どこにネタバレがあるか正直わからないので、一応白文字にしました。興味のある方だけどうぞ反転させてご覧ください。

*******ココカラ*********


ぶっちゃけ言うと、そこまで意表をつくような展開はありません。っていうのを「誰にも言わないで」なのかな?と思い、文字白くしてみました。

しかしこの映画には謎が多い。最初から最後まで至る所に伏線があり、常に思わせぶりで何か裏がありそうな雰囲気が漂っています。しかし伏線全てに答えがあるわけではなく、見る側の想像力に委ねられるところが多い。その点がこの映画の一番の面白みだと思いました。

なにしろ上手だなーと思ったのがキャスティング。アダケル家の、いかにも人には言えない過去を抱えていそうな夫の顔と、常に何かに警戒し気を張りつめている妻の顔。それ見ただけで、この夫妻にも何か重大な秘密があるのでは?と思わされてしまう辺り、すっかり監督のワナにはまってしまった感じです。


*******ココマデ*********


なにしろ、自分の想像力次第でいくらでも楽しめる作品だと思います。深読みしようと思えばきりがない。1から10まで手取り足取り説明してくれる最近のハリウッド映画や日本映画と比べて、その点がものすごく面白いし、まさに私の好みでした

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